まだまだ寒さの残る2月、徐々に日が伸びて春の兆しを感じます。
2月の花木の代表格と言えば梅ですが、剪定の適期はご存知でしょうか?
結論と注意点を初めに述べておきます。
- 梅の剪定は2~3が最適
- ただし、収穫できる実が減ります
- 夏の間に伸びてしまいます
つまり、今回紹介するのは梅の実を収穫されない場合の方法ですが、毎年収穫しているから実が減るのは困るという方も是非一度お目通し下さい。
梅の剪定を2~3月に行うべき理由について紹介していきます。
梅を2~3月に剪定する理由1:花が落ちる時期
毎年梅の花が咲くのを楽しみにされている方は多いと思いますが、その花が咲くのはご存知の通り、年によって前後にずれ込むことはありますが、大まかに2月です。
花が咲く前に剪定すれば、当然花が減ってしまいますので、花を充分鑑賞してから剪定を行うのですが、咲く直前のタイミングを逃さなければ、樹木の花が減ってしまう分室内に飾って鑑賞することができます。
樹木のまま鑑賞されたい方は花が落ちはじめてから、室内で鑑賞されたい方はつぼみが膨らみ丸くなってからがおすすめです。
梅を2~3月に剪定する理由2:新芽が吹く時期
梅にとって、花が落ちる時期でもあり、一斉に新芽を伸ばし、葉をつけ、夏に一気に生長するための準備の時期でもあります。
樹木は全般的に、春に芽吹き夏に生長するため、春に受けたダメージは回復しやすいのです。
下記は、春に剪定し、秋に撮影したものです。
わずか半年で、剪定痕の周りの樹皮が盛り上がり、傷が塞がりつつあるのが見て取れます。
また、このように、古い樹皮が割れて内側に新しい樹皮が形成されている様子も、植物が元気に生長している良い兆候です。
↓明るい色のひび割れのような部分が新しい樹皮
樹木が一気に生長する夏を迎える前に剪定を済ませてしまうのが、樹木にとって優しい方法です。
梅を2~3月に剪定する理由3:実に使われるエネルギーを最小限に
梅に限らず、樹木は全般的に、花や実に多大なエネルギーを消費します。
なぜなら、生存戦略上、花や実をつけることが非常に重要だからです。
ただしそれは種全体を見た場合で、1本の樹木という単体で見た場合、花や実にエネルギーを使い過ぎない方が、樹木の生長にとっては良いということです。
そこで、冒頭で述べたように、【梅の実を収穫されない場合】にはこのような方法が重要になります。
花を観賞し終わったら、実になる部分を剪定してしまえば、実にエネルギーを使うことがありませんし、庭に落ちた大量の実を掃除する手間も省くことができます。
梅を2~3月に剪定:デメリットと対処法
ここまで、梅を2~3月に剪定する3つの理由を紹介しましたが、この方法にはデメリットもあります。
デメリット:収穫量が減る
既に述べた通り、花を観賞したら実の素を減らしてしまおうというのがこの方法ですが、当然、収穫量は激減します。
しかしそれは、そもそも収穫するための方法ではないからです。収穫減を最小限にする方法も紹介していきますのでご安心ください。
デメリット:夏に伸びる
春に剪定し夏に伸びるということは、伸びた状態で次の春まで置いておいていただくか、どうしても伸びた状態が気になる場合は、年内にもう一度剪定しなければならないということです。
それならば夏や秋に切れば良いと思われるかもしれませんが、夏は生長期であり、秋は休眠の準備期ですので、あまり強く切るとダメージが残りやすいのです。
夏や秋に剪定する場合は、剪定強度を控えめにし、何年かに一度、春の強剪定を入れると良いでしょう。
今回は梅を2~3月に剪定する理由について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
折を見て、収穫をメインにした方法も紹介していきたいと思います。
まとめます。梅の剪定は、収穫をメインに考える場合等を除き、
- 花を観賞し終わってから
- 樹木の生長に合わせて
- 実つきを最小限に
梅に限らず、樹木は生き物です。生き物を管理するには、生き物の都合を最優先で考えるのが、最良の方法かもしれせん。